働き方と家計

転職・学び直しの前に、夫婦で確認したい家計の5項目

転職や昇進、学び直しを考えるときは、収入だけでなく、通勤や子どもの迎え、食事の準備も変わります。給与明細や支払いの履歴を使って、今の家計と変更後の見込みを比べてみましょう。ここでは、夫婦で確認する項目と、分からない条件の調べ方を紹介します。

食卓に置かれた通勤バッグ、本、開いた予定表と電卓
記事の内容を説明するための生成イメージ

資料をそろえて、家計の5項目を確認する

まず、二人の給与明細、口座やカードの支払い履歴、勤務・通学の予定が分かるものを用意します。家計簿がなくても、実際の入金と支払いから確認できます。手元のノートに「現在」「変更後」「確認が必要なこと」の欄を作り、確定した金額と見込みを区別して記入してください。

1.手取り収入と、収入が変わる月

現在の給与は明細の手取り額で確認します。残業代や手当で月ごとの差がある場合は、直近の複数月を見て、何が増減しているかも確かめましょう。賞与は毎月の給与とは分けて書きます。日本FP協会の家計整理ツールでも、実際に使える手取り収入を確認する方法が案内されています。

変更後は、雇用条件の書面や勤務先の説明で給与・手当・支給日を確認します。額面の月給をそのまま家計に使える金額にせず、控除を含む見込みが分からなければ給与担当へ尋ねてください。転職の間に給与の入らない期間がないか、最初の給与がいつ入るかも確認します。

2.働き方が変わっても続く支払い

家賃・住宅ローン、通信費、保険料などの定期的な支払いに、食費や日用品費を加えます。銀行口座、カード明細、電子決済など支払い先が分かれている場合は、それぞれの履歴を見ましょう。カードの利用明細と口座からのカード引落額を両方足すと、同じ買い物を二重に数えてしまいます。

年払いの保険料、住居の更新料、税金などは、毎月の一覧とは別に支払う月を記録します。月単位では収支が合っていても、まとまった支払いと受講料が同じ時期に重なることがあるためです。

3.始める前に払う費用と、その後もかかる費用

学び直しなら受講料だけでなく、教材・試験・道具の費用を募集要項や見積もりで調べます。転職なら、新しい勤務先への交通費や必要な衣類など、自分で用意するものを確認します。「申込時に払うもの」と「毎月かかるもの」を分けると、必要な時期を把握しやすくなります。

教育訓練給付の利用を考えている場合は、講座が指定対象か、自分に受給資格があるかをハローワークで確認できます。受講前の手続きが必要な種類もあるため、申込み前に公式案内を確認してください。まだ受給の見通しが立っていない給付は、確定した収入に含めずに考えます。

4.通勤・育児・家事で変わる出費

新しい通勤経路の運賃、子どもの預かり時間、家事を外部に頼む費用を調べます。必要な料金は、交通機関、利用中の保育園・学童、サービス事業者の案内で確認しましょう。利用できる時間や空き状況が合わなければ、料金だけ分かっても予定は組めません。

勤務表や講座の曜日を見ながら、誰が迎えに行くか、夕食をどう用意するかまで書き出します。給与に通勤手当が含まれている場合は、対応する交通費も支出に入れ、収入と支出で扱いをそろえます。

5.支払った後に残しておく預貯金

口座残高を見て、近いうちに支払う分、教育費など使う目的が決まっている分、予定外の出費に備える分を確認します。残高の全額を、新しい計画に使えるお金として扱わないことが大切です。

そのうえで、準備費用を払った後の残高と、収入が少ない月の支払いを比べます。残す金額は家族構成や支出、収入の安定性によって異なるため、ここでは一律の目安を置きません。

忙しくなる日の食事・育児・家事の費用を考える

家計の見込みには、忙しい日を乗り切るための費用も入れます。「今までどおり全部できる」と仮定するより、予定が重なる日の過ごし方を決めてから費用を調べるほうが、必要な支出を拾えます。以下は説明用の例です。

  • 夜の講座がある日:夕食を買うなら、利用しそうな店の価格と月の回数を調べます。追加分を比べる際は、その日に使わなくなる自炊の食材費も考慮し、食費を丸ごと二重に加えないようにします。
  • 二人とも迎えが遅くなる日:保育園や学童に、延長できる時間、利用条件、申込期限、料金を確認します。勤務時間が延びても預かり時間を延ばせるとは限らないため、迎えの分担も見直します。
  • 週末が通学で埋まる場合:掃除などを家事代行に頼むなら、依頼内容、最低利用時間、交通費、キャンセル条件を含めた見積もりを取ります。必要な回数と合わせて、ひと月の負担を出します。
  • 通勤先が遠くなる場合:電車代だけでなく、駅までのバスや駐輪場代も確認します。会社が支給する範囲と支給時期を、通勤経路の申請前に確かめます。

費用が大きい場合は、利用回数を変える、二人の分担を調整する、通学方法や開始時期を変えるなど、条件の違う案を比べます。安さだけで決めず、睡眠や休息を削り続ける予定になっていないかも話し合いましょう。

勤務先や窓口に確認し、変更前後を比べる

調べた内容は、同じ期間で並べます。月々の収支は「今のひと月」と「変更後のひと月」で比較し、一度だけ払う準備費用は別欄に置きます。下の表は書き出し方の例です。分からない項目は空欄にせず「確認中」と記すと、次に調べることが残ります。

家計を比べるときに書く内容
項目現在変更後の見込み
毎月の収入二人の手取り額見込み額と初回の支給月
毎月の支出家賃・食費などの実績続く支払いと、通勤・育児・家事の増減
一度だけ払う費用すでに予定している支払い受講料・教材などの総額と支払日
年払いなどの費用金額と支払う月準備費用と重なる支払い
手元の預貯金残高と使う目的準備費用を払った後に残る額

確認先は、知りたい内容で分けます。給与・勤務時間は勤務先の人事や給与担当、受講料と日程は講座の窓口、教育訓練給付の資格や手続きはハローワークへ。保育園・学童の利用条件は、利用施設や自治体の担当窓口に尋ねます。

問い合わせるときは、「勤務時間が変わった場合、通勤手当と給与は何月分から変わりますか」「この講座で、受講料以外に支払う費用と期限はありますか」のように、金額と時期を合わせて聞きます。回答を得たら、確認日と窓口をメモして二人で共有しましょう。

子どもの進学など数年先の予定も含めたい場合は、日本FP協会のライフイベント表・家計のキャッシュフロー表を使う方法があります。今回の比較表は、その準備として変更点を整理するものです。

今は見送る場合も、再検討する条件を決める

始める時期を延ばすなら、理由を具体的に残しておきます。「準備費用を払うと更新料の支払いが難しい」「学童の延長利用が決まっていない」では、次に確認すべきことが異なります。

たとえば、次の勤務表が出た後に分担を再確認する、講座の別日程やオンライン受講の有無を調べる、支払いの集中する月を過ぎてから検討する、といった予定を決めます。これは申込みを約束する日ではありません。条件が変わらなければ、延期を続けることも含めて判断します。

実際に働き方が変わった後は、最初の給与明細と支払い実績で見込みを更新します。予想より出費が増えた項目を確かめることで、家事の分担やサービスの利用回数も見直せます。

家計全体の見通しが立たないときの相談先

受講料を払った後の生活費や、教育費を含めた今後の貯蓄が気になるときは、家計管理・生活設計を扱う相談先で整理できます。変更前後の表や、まだ分からない条件を伝えると、何を相談したいか説明しやすくなります。資料を完成させてからでなければ相談できない、という意味ではありません。

J-FLECの相談では家計管理や生活設計を扱い、個別の金融商品の提案・推奨は行いません。ほかに商品提案を伴う民間の相談もあるため、費用、相談範囲、提案の有無を確認して選びましょう。

家計の相談先を、相談内容・費用・商品提案の有無で比べる

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